ことばで、笑う
人生は笑えるほうが、おもしろい
宮子さんは、“ことば”で、やさしく遊ぶ。
本堂玄関の小階段は、どたばた踏みしめると板が歪む。
そこで、「愛のかけ橋」と、名付けてあげる。
沓脱ぎ場にある壷は、可哀想にゴミ箱扱い。
そこで、「愚知壷」という名札を添えてやり、
ゴミの替わりに、人の愚痴を受け止めるという、
尊いお役目を与えてあげる。
「お堂ではお静かに」や、「ゴミ捨てお断り」といった、
依頼や、禁止ではなく、
おかしみによって、やわらかく人の心を動かす。
「大龍寺」の境内、そこかしこで見られる、
宮子さんの、微笑ましい“ことば”の数々は、
お寺そのものの「声」のように、私たちの耳に届く。
宮子さんの“ことば”は、
高齢者施設のレクリエーションや、交通安全運動など、
地域のボランティア活動においても、活き活きと響く。
おじいちゃん、おばあちゃんに楽しんでもらうのも、
交通安全を促すのも、みんな、いっしょ。
楽しいことを考えて、それを“ことば”にする。
そう、人生は笑えるほうが、おもしろい―。